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492話

コートを着て、外へ向かった。

張さんは私のことを心配して、わざわざ風呂場まで送ってくれようとしたが、断った。

風呂場に着くと、服を着替えて仕事に取り掛かった。普段なら手際よくこなせる作業も、今の私はまるで危篤状態の老人のようだ。

少し働いては休み、ほとんど進んでいないのに、もう額には大粒の汗が浮かんでいる。

この状況を見て、焦りが込み上げてきた。この作業ペースでは、今日の風呂の水は確実に温まらないだろう。

速度を上げようとしたが、体の痛みがあまりにも耐え難かった。

痛みに耐えながら、歯を食いしばって何とかペースを上げようと努力した。

絶望感が増してきた矢先のことだった。

突然、張さんが歩いてき...