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404話

今はお金があるから、自然と背筋も伸びる。今夜、王先生と食事ができると思うと、興奮で今すぐにでも行きたくなった。

そう思うと、もう迷っている場合ではない。急いで浴場に戻り、一番いい服に着替えることにした。私は念入りに身だしなみを整え、若い頃のスーツまで引っ張り出した。

スーツを見た時、思わず立ち尽くしてしまった。今は顔に歳月の痕が刻まれているものの、若かりし日の凛々しい姿がまだ見て取れる。

そこで、私は思わず「歳月人を待たず」と感じ入った。もし十歳若ければ、もしかしたら王先生を娶ることもできただろうか。それはどんなに素晴らしいことだろう。しばらく呆然としたあと、我に返り、もう一度身なりを整...