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40話

父の病状が重く、弟は刑務所にいることを思うと、秦菲はまた静かに泣き始めた。

この突然の変化に私は少し戸惑った。どうして急にまた泣き出したのだろう?

秦菲は元々美しいのに、今の涙に濡れた姿はさらに男心をくすぐる。

赤く腫れ上がった美しい瞳を見ていると、胸が痛くなった。最初に抱いていた下心も一時的に脇に置かれてしまう。

「菲菲、泣かないで。何でも話してごらん。まずはあっちに行って隠れよう。何があったのか話してくれたら、一緒に考えよう」

私は秦菲の涙を拭ってやった。その滑らかな頬に触れると、またムズムズとした気持ちが湧き上がる。

この頬は殻を剥いた卵のように滑らかで、柔らかく白い。今にも一口噛みつき...