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291話

「今撮るの?何を撮るの?」私は戸惑った。

杜月清は泣き棺をする人々や悲しんでいる人々を示しながら言った。

「彼らを撮って。でも、あからさまにならないように。まるでスマホで何気なく撮ったような感じで」

舌打ちをしてしまう。この状況は一体何なんだ?こんな奇妙な要求までされるなんて。

でも、クライアントがそう言うなら従うしかない。そのあと私は真面目に写真撮影に取り掛かった。

撮影中に小梅の姿も見かけた。彼女は何かを持って上がってきたようだ。

本来なら小梅に挨拶しようと思ったのだが、彼女は私を見るとすぐに身をそらして立ち去ってしまった。

思わず笑ってしまう。もしかして昨日からかったせいで気まずく...