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167話

足の指で考えるまでもなく、部屋の中で何が行われているのかは明らかだった。だから私が欲しい密会の証拠写真は、オフィスで撮影するだけでいい。

話としては簡単だが、実行するとなるとそう単純ではない。

銭大貴のオフィスは彼だけが鍵を持ち、一度入ると滅多に出てこない。さらに中に入ったら必ず内側から鍵をかけてしまう。

部外者が許可なく入るのは、まず不可能だ。

私が思いついた唯一の方法は、小型カメラを設置することだった。設置方法についても、あらかじめ計画を立てていた。

銭大貴のオフィスは二階にある。夜更けなら、窓の隅にカメラを仕掛けられるだろう。後で同じ方法でカメラを回収し、編集して証拠にする。

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