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1663話

「これは迅雷の蹴りだ!」

十七番のボックスから声が響いた。

一見単純な蹴りだが、それこそが大道至簡、本質に還った一撃だった!

先ほどの連続蹴りには多くの隙があったが、この一撃は本当に完璧だ!

速さも力も、同じ境地の者から見れば非の打ちどころがない。

だが、それも同境界の者から見ればの話。私にとっては、天眼で捉えた彼の動きはまったく速くない。

彼がこの一撃で勝負を決めようとするなら、望み通りにしてやろう!

そこで私も一声叫び、拳を振り上げた!

覇龍拳!

彼の足と私の拳、どちらが硬いか見ものだ!

後の先で、空気を切り裂く音が鳴り響いた!

空中にいた中年武者の表情がわずかに変わる!

だが、彼が足を引...