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155話

考えれば考えるほど興奮してきて、マー師匠にお金を返す時の驚愕の表情を早く見たくてたまらなくなった。

手を伸ばして取ろうとした瞬間、喜び勇んでいた気持ちが一気に「ドキッ」と冷たくなった。

お金がない!

黒いビニール袋も消えていた!

信じられなくて近くの植え込みを隅々まで探したが、どう探しても見つからない。

終わった、計画が水の泡だ。

なぜないんだ?誰かこんな非道いことをして、金を持ち去ったのか?

悲しみに打ちひしがれながら立ち上がって周りを見回すと、道の角に清掃員が三輪車を押して歩いているのが見えた。あの慌てた様子、きっと後ろめたいことをしたに違いない。

数秒間観察しただけでそう結論づけ、小走り...