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1396話

この二人は道中、一言も交わさなかったので、私は彼らが何をしようとしているのか全く見当がつかなかった。

峡谷を抜けると、再び森が広がっていて、ようやくその時になって前を行く二人が立ち止まった。

スマホを取り出して確認すると、およそ二時間歩いていて、すでに電波が入らなくなっていた。

この時、私と彼らの距離は二十メートルほどしかなく、二人の会話が聞こえてきた。

「あとどれくらいなんだ?」背の高い方が尋ねた。

「この森を抜ければそう遠くない。あと四キロといったところだな」もう一人が答えた。

「本当にあの洞窟に何かあるのか?」

「ああ、前回来た時、洞窟の中から強いエネルギーの波動を感じたんだ。実はその波...