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1368話

「自分から言わない限り、この世界で私に不思議な功徳瓶があることなんて、誰も思いつかないだろう?」

この世の中には、説明のつかないことなんていくらでもあるんだから。

宇宙人を見たとか、幽霊を見たとか言う人だっているじゃないか。

今、小青に電話して、視力が回復したことを伝えるべきだろうか?

考えてみると、彼女に伝える理由もないような気がする。

彼女を喜ばせるため?

でも私と彼女は他人同士で、友達とすら言えないのに。

もう少し待とう、そんなに急ぐことでもない。

事前に義姉と約束したように、梅子に驚きを与えるために、回復したことは彼に話していない。

彼は家にしばらくいただけで、自分の荷物をまとめる...