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1302話

「大丈夫だよ、僕がいるから。お姉さんがきっと僕たちを探しに来てくれるよ」私は彼女を安心させようとしたが、自分自身にも自信はなかった。

私自身も寒さで少し震え始めていた。

部屋の中なら空調が効いていて、バスローブを着ていれば何の問題もなかったが、今は外だ。しかも大きな山間の谷で、雨の降る夕暮れ時に。このバスローブでは明らかに寒さを防ぎきれなくなっていた。

「めくらのお兄ちゃん、この洞窟の中に化け物はいないの?お化けとかは?」

「いないよ、いないよ。ここには何もいないから、小氷、怖がらなくていいよ!」

私は幽霊や妖怪の存在を信じていないが、今のこの状況では私の心も不安でいっぱいだ。暗闇から突然何か...