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1301話

「盲目のお兄ちゃん、盲目のお兄ちゃん!」

どれくらい時間が経ったのか分からないが、夏冰の声が聞こえ、彼女が私の頭を揺さぶっているのを感じた。

目を開けると、小冰が目の前にいて、顔中に動揺の色を浮かべていた。

同時に、頭がズキズキと痛むのを感じた。

思い出した、私は斜面から滑り落ちたんだ。きっと頭を石にぶつけたのだろう。

手で触ってみると、案の定、頭の左側、耳の上あたりが腫れ上がっていた。

しかし、小冰が無事だと分かって、私はやはり安心した。

とはいえ、完全に無事というわけでもなかった。彼女の顔は何箇所も擦り傷があり、服はボロボロに破れ、体中が泥だらけだった。

雨はすでに強くなっていて、私たちの...