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1279話

「私だ。」

「さっき誰か店に入ってきたって聞こえたんだけど!」

「ああ、さっきの電気工事の人だよ。道具箱を事務所に忘れてたから、梅子がドアを開けて取りに行かせたんだ。すぐ降りてくるよ。」

「そう。ボタンは見つかった?」

「見つかったよ。」

これで威哥はもう梅子に手を出さないだろうな、と思った。

数分後、威哥と梅子が現れた。

威哥は顔を曇らせ、一言も発さずに出て行った。

梅子も怒ったような表情をしていた。

おそらく梅子は、威哥が私にぶつかったことで言い争いになったんだろう。

このバカ、自分で感情を台無しにしているんだ!

「金水、揉んであげるね」梅子が私の側に来て、顔の怒りは申し訳なさに変わっ...