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1274話

以前なら、義兄にこんなことを言っても理解してもらえなかっただろうが、今なら確実に分かってもらえるはずだ。

私は彼に自分の「不安」を知ってもらいたかったのだ。

「金水、安心しろよ。梅子はお前のことをあんなに好きなんだから、お前から離れるわけないだろう?」義兄は私の肩を叩いた。

「義兄さん、分からないことがあるんですよ。はぁ、もういいです。そのお客さん、まだ来ないんですかね?」

噂をすれば影。

その言葉が終わるか終わらないかのうちに、あの王さんという客が玄関に停めた車から降りてくるのが見えた。

「金水、お客さんが来たぞ!」義兄が言った。

「ああ、分かった。梅子を呼んできてくれないか。先にマッサージ...