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1196話

彼女の最後の言葉を、私はしっかりと心に刻んだ。

心の奥深くに。

突然、すっと気持ちが晴れた。

彼女はまだ若い、三十代前半なのに、すでに財を成している。

お嬢様育ちか、それとも金持ちに嫁いだか。

後者の可能性が高いだろう。これはまさに成金根性そのものじゃないか。

「お姉さんの教えありがとうございます。心に留めておきます」

いわゆる『苦しい中の苦しみを味わってこそ、人の上に立てる』というのは、こういうことなのかもしれない。

「くすくす、お尻をマッサージして!」

この生意気な女は笑いながら、体を反転させた。

寝間着越しに、私は揉み始めた。

今や私の心境はすっかり変わっていた。

女性の体に触れて得をし...