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1153話

入り口で、私は足を止め、小芳に先に入らないよう合図をした。

ドアは開いていて、大きな禿頭の金強が事務机の前に立ち、私に横向きになっているのが見えた。兄嫁は事務机の後ろの社長椅子に座っていた。

「林暁慧、お前ホントに度胸あるな、俺に歯向かうとはな?」金強は唾を飛ばしながら言った。「店を畳むつもりか?」

兄嫁は少し緊張した様子で「金社長、商売はそれぞれでしょう。うちの店とあなたの店は何本も通りを隔てているのに、どうして私があなたの商売を奪うんですか?」

「林暁慧、ここで知らんぷりするなよ。お前のエステの状況を知らないとでも思ってるのか?」金強は威圧的に吼えた。「俺のエステの常連客がみんなここ...