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1111話

私は彼女の横顔を見ていると、その表情に微かな笑みが浮かんでいた。

女性というのは花に対して抵抗力がないようだ。

「これはフランスの国花、アイリスだよ。フランスから持ち帰ってきたんだ!」李杰は満面の笑みで言った。

「わぁ、素敵!ロマンチックね!」梅子は思わず声を上げた。

私の口元が痙攣した。何を騒いでるんだ、お前は李杰のどんな魂胆も知らないくせに。

「ありがとう」義姉は花を受け取った。

「気に入った?」

「ええ、素敵よ」義姉は言ってから、一言付け加えた。「わざわざありがとう」

「ふふ、君が喜んでくれるなら、それだけで価値があるよ」

「杰さん、いつ帰ってきたの?」義姉は花を脇に置いた。

「ああ、一...