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104話

ホテルで樊紅玉と向かい合って座っていると、意外と違和感がなかった。

「紅玉、好きなものを頼んでいいよ。誕生日だから、思いっきり楽しもう」私は笑顔で樊紅玉を見つめながら言った。

樊紅玉は遠慮することなく、高価な料理を次々と注文し、最後には赤ワインを二本も頼んだ。

酒は私の好みにぴったりだ。諺にもあるように、酒は勇気を与え、失敗も招く。何かしら親密な雰囲気を作り出せるはずだ。

本来なら酒を勧める言葉をいくつも考えていたのだが、料理が運ばれてくると、勧めるまでもなく樊紅玉から積極的に飲み始めた。

そして意外なことに、樊紅玉が私に酒を勧めてくるようになり、もちろん私は断るはずもなかった。

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