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1020話

「あなたのいとこ、すごく綺麗ね!」

「みんなそう言うけど、残念ながら僕には見えないんだ」と私は口を大きく開けて笑った。

「あなたのいとこ、彼氏いるの?」と小芳が尋ねた。

「なんでそんなこと聞くの?」

「いや、違うの、王東が聞いてって言ったの」と小芳は言った。

私は王東を知っている。あの二人の男性セラピストの一人で、ちょっとイケメンで、髪を金色に染めている。昨日、梅子が店に入った瞬間から、彼はずっと見つめていた。

「ああ、僕はいとこのことはあまり詳しくないんだ。彼女も都会に出てきたばかりだし、たしか彼氏がいるような...」と私はあいまいに答えた。

「どうしたの?王東が僕のいとこに気があるの?」

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