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1013話

「こんなに偽善的じゃないか?

毎日、欲望と自己嫌悪の間で生きている気がする。

ただ十一年間も盲目だったから、失ったものを全部取り戻そうとしているだけなのか?

自分の心の状態が異常な気がする。

今夜、また一歩、堕落して地獄に近づいた」

「ごめん、梅子、心配かけて」

梅子は私をソファーに座らせてくれた。

「金水、陳二狗は唯一の友達だもの、理解できるわ。飲み過ぎないで、無事に帰ってくればそれでいいの。本当は道端で待とうと思ったんだけど、義姉さんみたいな状況になるのが怖くて、家の中で待ってたの」

私は思わず梅子を抱きしめた。「大丈夫だよ、誰かが待っていてくれるだけで、温かい気持ちになれる」

梅...