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82話

「このくそったれが!」

遠くから怒号が響き渡り、張浪が足早に駆けつけてきた。その後ろには羅東をはじめとする数人の屈強な手下が続いていた。

彼が現れるなり、路城を捕まえていた小者たちは震え上がり、慌てて手を放した。

「狼兄貴?」

筋骨隆々とした男は顔を強張らせたまま言った。

「狼兄貴、あんたが路城をかばうつもりなのは分かってる。でも、納得できねぇんだ!」

「納得できない、だと?」

張浪の表情が険しくなった。葉来の前で小者に反抗され、面目を失ったことが堪えた。

「殺されたって構わねぇ。それでも納得なんかしねぇよ!」

筋肉質の男は少しも屈しなかった。

張浪が激昂しかけたとき、葉来が軽く首を振り、手を...