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617話

「なに?武阳の口に臭い靴下を突っ込めだって?」

杜庭海は目を見開いた。

隣にいた李佳怡も大げさに目を白黒させた。

この叶来はまさに筋金入りの靴下フェチだな。

「言っておくが、俺に顔を立てて、武少をあまり苦しめないでくれって頼んでるんだ。適当に靴下を一つ口に突っ込めば済むことだ。龍国語が理解できないのか?」

叶来は首を傾げ、眉をわずかに寄せて杜庭海をちらりと見た。

「無理だ!そんなことできるわけがない!」

杜庭海はほとんど反射的に首を振って拒否した。

武阳の口に靴下を突っ込む?

冗談じゃない!

武阳は現武家当主、江南の名家の中でも指折りの人物だ。

そんなことをすれば、武家に宣戦布告するようなもの...