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596話

「わかりました!」

船渠が頷くと、突然手を振り上げた。灰色の粉末状のものが、彼の手から飛び出した。

その粉末が空気に触れると、突然爆発し、灰色の霞がかった壁となって、甲板全体を二つの部分に隔てた。

葉来と蘇馨月が一方に、他の者たちが反対側に分かれた。

灰色の煙幕のような物質を通しては、向こう側の状況が見えない。

声さえも、はっきりと伝わってこなかった!

「これはどういうこと?」

蘇馨月は目を見開いて、その奇妙な光景を見つめた。

「船渠のやつの小細工さ!」

葉来は笑いながら言った。

「気にするな。大人しく俺と一緒に景色でも眺めていろよ!」

蘇馨月は完全に戸惑っていた。

一つには、今夜この豪華客船...