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591話

「私は殺人が問題を解決するとは言っていないわ。ただ殺しの過程を楽しんでいるだけよ!」

アリスが嬌声を上げて笑い、体を震わせながらユエライの腕に身を寄せた。

その感触は、言葉では表現できない類のものだった。

「殺しに何の楽しみがあるんだ。俺は殺すのが大嫌いだ」

ユエライは首を振った。

「ふふ、あなたの手にかかった命は、私よりずっと多いはずよ。そんな純粋ぶらないで」

アリスの瞳に茶化すような光が宿った。

地面に倒れていたウージェは呆然としていた。

左も殺し右も殺しと、まるで本当の話のように聞こえる。

鶏を絞めるという意味の冗談じゃないのか?

彼はこの二人が演技をして自分を脅しているのだと確信してい...