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580話

「客人?」

部屋中の全員が少し困惑した様子を見せた。

宣武と大虎がどこからともなく現れ、警戒心を露わにしながら玄関に立っていた。

そのとき、部屋の電話が鳴り響いた。玄関の警備員からだった。

「蘇社長、外に謝尊と名乗る人が面会を求めています!」

「謝尊?」

蘇馨月は眉を少しひそめた。

この名前はとても馴染みがなく、以前に聞いたことがないし、もちろん知り合いでもない。

彼女は時計を見上げた。夜の10時。

この時間に訪ねてくるとは、何の用だろう?

「青花会の者だと言っています!」

玄関の警備員は妙な口調でさらに付け加えた。

「青花会の者?」

部屋中の女性たちは皆、困惑した表情を浮かべていた。

ただ一...