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517話

帰り道で、葉来は一つの番号をダイヤルした。

「なぜ金虎は逃げたんだ?」

「私も直前になって知ったんです。あなたに連絡しようと思ったんですが、彼がずっとそばにいたので、連絡できませんでした」

「じゃあ、今どこにいる?」

「私にもわかりません。金虎堂の本部を離れた後、姿を消してしまったんです」

「お前にもわからないのか?」

葉来は眉をひそめた。

「はい、でも彼は私に連絡すると言っていました」

「わかった。連絡があったら、教えてくれ」

「はい」

「怪我の具合はどうだ?」

「大したことありません」

葉来はさらに二言三言話した後、電話を切った。

「大将、まだ金虎の側に内通者を置...