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494話

江船場への道中、葉来は車を運転しながら、バックミラー越しに蘇馨月の様子をうかがっていた。

この娘は何か心配事があるようで、腕を組み、眉を少し寄せて、何を考えているのか分からない様子だった。

「俺がどこに行くのか、お前に報告する必要があるのか?」

蘇馨月は冷ややかに鼻を鳴らすと、突然言い放った。

「葉来、昨日の夜、あなた私に隠れて何か悪いことしてたでしょ?」

「悪いこと?え?いや、絶対にしてないよ!僕は善良な市民だ!」

葉来は一瞬戸惑い、必死に首を振った。

彼のこの様子を見て、蘇馨月はこいつの心に何か後ろめたいことがあるに違いないと確信した!

「ふん!隠しても無駄よ、私は全部見たわ!」

蘇馨月は...