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429話

葉来は少し躊躇した。「毒じゃないだろうな?」

しかし、すぐに息を止めて中に飛び込んだ。毒があろうがなかろうが、あいつをこれ以上逃がすわけにはいかない!

そして側にいた覆面の黒装束の者たちも、この時一斉に襲いかかってきた。

彼らの実力はさほど強くないが、七、八人もいて、七、八本の刀が一度に振り下ろされれば、無視するわけにもいかない。

「どけッ!」

葉来は怒鳴り、手にした短刀で三人の覆面の黒装束の喉を切り裂き、そのまま追跡を続けた。

「バン、バン!」

再び二つの濃い煙が立ち上り、神秘の黒装束の姿は煙の中に消えた。

「くそったれ!」

葉来は煙の中に飛び込み、見渡したが、相手の姿はどこにもなかった。

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