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361話

「うん、うん」

路小米は頷いた。面倒な揉め事を避けられるのは、やはり悪くない。

「小米、おじさんは大丈夫なの?」

スラム街に近づいた頃、葉来が一言尋ねた。

「うん、父は賭博に行ったことを後悔してる。もう賭け事はやめるって言ってた」

葉来は頷いた。

彼は路小米の父親が一度で完全に目覚めるとは期待していなかった。ただ以前ほどひどくなければ、それでいい。

「確かに前にも何度も嘘ついたけど、でもまた一度だけ信じてみたいの……」

路小米の声は沈み、過去の日々を思い出し、目が少し曇った。

葉来は左手でハンドルを握りながら、右手で路小米の小さな手を握り、軽く握り締めた。

「うん、あまり考えすぎない...