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338話

「李総長……」

羅立成は雑多な思いを押し殺し、足早に出迎えた。

「李総長、どうか私に公正な裁きを!」

侯副局長の動きも素早く、むしろ羅立成よりも一足先に駆け寄っていた。

李雲鋭は足を緩め、場内を視線で一巡した。

手に突撃銃を持った軍人に目が留まった時、彼の瞳に一瞬の驚きが走った。

江城軍区の者たちが、なぜここに関わっているのだろうか?

「李総長、悪勢力が城北分局を包囲し、以前の掃討作戦で逮捕した者たちの釈放を脅しているんです……私の甥の厳皋は悪勢力との戦いで、すでに負傷して倒れてしまいました……」

さすがに、侯副局長は芝居の才能がある。

たった数言で、哀れさを最大限に演出し、目の縁まで赤くなっ...