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319話

オフィスを出て、葉来は警備課に戻り、雷猛に電話をかけた。

「もしもし?雷さん、ちょっと思いついたんだが、そのうち李四に会いたいんだ」

「李四に会う?いいよ、すぐに手配するよ。今夜でもいいかな?」

雷猛は一瞬驚いたが、すぐに答えた。

「いいよ」

葉来はうなずいた。

「じゃあ、彼に電話しておくよ」

李四の名前を口にした途端、雷猛の声色が冷たくなった。

あの夜、李四が罠を仕掛けていなければ、自分が死にかけることもなかったし、仲間たちが街頭で無惨に命を落とすこともなかったはずだ!

だからこの恨み、必ず晴らさねばならない!

五、六分ほどして、葉来の携帯が鳴った。

「葉様、李四との約束を取り付けました。今...