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311話

葉来は何か異変を感じ取り、目を細めた。

蘇馨月の身に漂っていた不可解な感覚が突如消え去り、すべてが元通りになった。

「馨月、どうしたんだ?」

葉来は心配そうに尋ねた。

「な、何でもないわ、ただ変な風が吹いたような気がして…」

蘇馨月は小さな心臓がドキドキと乱れ、まだ少し動揺していた。

「はは、どこにそんな変な風があるんだよ。ホラー映画の見すぎじゃないか?」

葉来は笑いながら言った。

「……」

蘇馨月は彼をきつく睨みつけながらも、少し可笑しくなってきた。

左右を見回しても特に異常はなく、最近の疲れが出ているのかもしれないと思った。

「もういいわ、用がないなら出て行って!」

彼女はソフ...