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269話

「おっ、これは大彪じゃないか?こっちでガードに来てたのか?」

張浪は場内警備の頭目を見て、口の端を歪めた。

この大彪とはもう顔馴染みだった。以前、城西にいた頃に少々いざこざがあっただけだ。

「張浪、てめぇまだ顔出す度胸があったのか?」

警備の頭目は張浪を睨みつけ、手の刃物を振り上げた。

「今日こそ、お前の首を頂く」

「ふん!」

張浪は言い終わると、葉来の真似をして椅子を掴み上げ、警備の子分の一人を叩き倒した。

「てめぇ、俺に手ぇ出す気か?俺が城西で暴れてた頃、お前はまだ優等生だったろうが!」

「客は全員出して行け。今夜は店を閉める。誰一人として逃がさん」

警備の頭目は冷たく側近の部下に命...