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167話

宋衛明は目を丸くした。

被害者が協力しないなんて、本当に変な話だ。

「隊長、強制措置を取るべきではないでしょうか?」

姜雪が言った。

宋衛明は眉をひそめた。

他の人なら強制措置を取るのも仕方ないが、蘇氏グループが関わっているとなると、少し厄介だ。

「この件は一時的に押さえておけ。外部に漏らすな。蘇氏グループの情報は出すな。数人の強盗犯だけに焦点を当てればいい」

宋衛明は一呼吸置いて、続けた。

「こいつらには殺人事件の容疑もある。お前がもう一段階上がるには十分だろう」

「でも……このまま終わらせるんですか?」

「被害者自身が追及を望まないのに、我々が骨折り損のくたびれ儲けをする必要はない。それに...