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166話

葉来は心臓が跳ねた。

こんな夜更けに姜雪から電話がかかってきて、自分と李佳怡が一緒にいるかどうか尋ねてくるなんて、単なる挨拶のはずがない。

どうやら、廃工場に残された強盗の死体が発見されたようだ。

「今回は警察の動きが速いな」

葉来は内心でつぶやきながらも、口に出したのは、

「いや、俺は市内で万盛グループとの取引があって、蘇社長に見張りを命じられてたんだ」

「そう?」

姜雪は信じていない様子だった。

「もちろんさ、嘘をつく必要なんてないだろ」

葉来は一瞬間を置いて、尋ねた。

「こんな夜中に電話してきたのは、まさかそれだけを聞くためじゃないよね?」

「そのとおり、ちょっと確認したかっただけ」

姜...