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116話

姜風は避けようともせず、ずばりと告げた。

「全員聞け、もし奴が俺に一発でも触れたら、即座に銃で射殺しろ!」

「はっ!」

途端に、カチャカチャと銃の装填音が一斉に鳴り響いた。

侯正涛の振り上げた拳は宙で止まった。

彼は怯んだのだ。

こんな状況で殴れるわけがない!

「姜風、私のことは放っておいて!さっさと行きなさいよ!」

姜雪は憤然と走り寄り、この男を掴んで外へ押し出そうとした。

「いやいや妹よ、押すなって、もう少しだけ兄さんにカッコつけさせてくれないか?ほんの少しだけ、ねえ、ダメかな?」

姜風は突然別人のように変わり、その様子に現場の人々は一様に目を丸くした。

これが先ほどまであれほど強気だった...