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115話

「これは……」

宋衛明は苦々しい表情を浮かべた。

侯正濤が小人物だということは、彼も承知していた。

もしこの件がうまく処理できなければ、侯正濤のような小心者は本当に事態を悪化させるだろう。

そんな表情を見て、侯正濤の目に一瞬、得意の色が浮かんだ。

姜雪は小さな拳を強く握りしめ、事態が悪くなることを察した。

傍らの蘇馨月や路小米たちも、心臓が喉元まで上がってきていた。

宋衛明はため息をつくと、侯正濤に向き直って言った。

「老侯、そんな言い方は余所余所しいじゃないか。確かに君は局長だが、副局長に過ぎない。我々刑事隊は直接、正局長の管轄下にあるんだ。今日、君が我が刑事隊の取調室に来て、勝手に容疑者を...