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531話

この状況に私は恐怖を覚え、どうすればいいのか分からなくなっていた。趙敏も、こんな事態になるとは夢にも思っていなかっただろう。

というのも、いつの間にか彭娜の電話は切れており、もう三分ほど何の音も聞こえてこなかったからだ。

この緊張感に満ちた重苦しい雰囲気の中、私と趙敏はまるで石像のように固まり、一切の物音を立てる勇気もなかった。趙敏に至っては、ズボンを上げる動作すらできず、音を立てることを恐れていた。

実際にはほんの短い時間だったのだろうが、私たちにとっては永遠とも思える長さだった。

私が緊張で頭がおかしくなりそうになった時、欲望に頭を支配されたことを心から後悔していた。

そんな時、...