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57話

「しかし崔三は目をぐるりと回すと、後山の入り口で一歩も先に進もうとしなくなった。

「何やってんだよ?俺たちを呼んだのはてめえだろ、何で今になって入りたくねえなんて言ってんだ?」脾気が最も激しい王剛が手に持った刀を振り上げ、怒りを込めて問いただした。

目の前に転がり込んできた儲け話が目前だというのに、この崔三という小心者が今さら翻意するようなことがあれば、間違いなくその犬っころの足を折ってやるつもりだった。

「そうだよ、三弟、約束を反故にするなんてことはできないぜ。お前が来なかったら、俺はとっくに布団に入ってたんだ。嫁や子供と暖かい布団で過ごすのを諦めて、誰がお前なんかと寒風吹く中にいるんだよ」...