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49話

小雨は頷いた。大雨は村の人々の中で後山を最もよく知っている存在であり、彼女の異能の媒介として最適な存在でもあった。大雨を山に放ち、彼女の意識をゆっくりと広げれば、大雨は森の中を自由に動き回り、彼女が感知できないものも鳴き声で知らせることができる。しかし、これらのことを村長に直接伝えるわけにはいかなかった。

言い換えれば、大雨は彼女の盾であり、自分に異能があるという事実のリスクを最小限に抑える必要があった。

「お父さん、安心して。わたし、ずっとそばにいるから、どこにも行かないよ。大雨に探させるの。何か手がかりを見つけたら、大雨が鳴いて知らせてくれるから、わたしはそれを頼りに二叔母さんを見つけ...