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18話

小雨は口を大きく開け、一瞬どう反応すればいいのか分からなかった。

「このサジーは多すぎるな…」兄が呟いた。

視界一面に広がる黄色。微風に乗って果実の香りが鼻腔をくすぐり、空腹を抱えた三人の子供たちの鼻先に飛び込んできた。

誰が先だったかも分からず、三人は一斉にサジーの茂みへと駆け込み、食べ始めた。

「お兄ちゃん、二番目のお兄ちゃん、あんまり食べすぎないで。こんなにたくさんあるんだから、まずは一人一籠分を持って帰りましょう。明後日、蒋爺さんと町に行って、少しでもお金になるか見てみましょう」

満腹になった小雨はようやく本題を思い出し、口元にまだ黄色いサジーの汁を残したまま慌てて言った。

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