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17話

「そんなに焦って何するんだよ。妹が感じ取ったら自然と教えてくれるだろ」兄は不機嫌そうに弟を睨みつけた。

二人の会話が小雨の耳に入り、確かに笑いを堪えられない気持ちになったが、不思議なことに、あの日大龍と喧嘩した場所まで来たのに、今回は猿の気配をまったく感じ取れなかった。彼女は思わず胸が締め付けられるような不安を覚えた。

これは彼女が考えついたばかりの成功への道だ。羊を飼った時のように失敗するわけにはいかない。

小雨は目をしっかりと閉じ、意識をゆっくりと上空へ昇らせ、三人を中心にして空中でゆっくりと広がっていった。

だが森の中には物音一つせず、鳥のさえずりすら聞こえない。崔小雨は今度こそ...