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30話

彼の日課は今や毎日同じだった。屋敷へ行きアイデンを探し、アイデンを抱き、アイデンを洗い清め、そして帰って翌日の戦いに備える。

今日も例外ではなかった。

彼はアイデンを抱きかかえ、部屋の外にある小さな花園で行為に及んでいた。

伯爵が来るという理由で、アイデンを抱えて花園の外周まで歩いても使用人には一人も出くわさなかった。皆が伯爵の到着に備えて呼び集められていたのだ。それでもアイデンは恐怖に震えていた。誰かに見られて一生の清き名が台無しになることを恐れて（……）

テレンスは道中で忙しそうに立ち働く使用人たちに何度も出会い、数歩歩くごとに挨拶を受けていた。そのため彼は人気のない小道を選んで歩き、よ...