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172話

乔は無視して抱き続けたまま、アイデンの首筋に顔を埋めて熱い息を吐きかける。「そんな言い方、まるで俺の妻みたいだな」

アイデン:「……」俺はお前の親父だ。

乔は手を離す時にアイデンの腰を一度つねり、何気なく言った。「さっき外で馬鹿に会ったんだ。王国一の美しいオメガだの何だのと言ってたよ」

アイデンはそれを聞いて興味を示した。「あ!あの王子のことか?前に王子の信香は甘い牛乳の香りだって聞いたんだけど、きっと良い香りなんだろうな……あんなオメガを娶れたら大当たりだよね。見た目が可愛くて、性格も明るくて、しかも王室を後ろ盾にしてる。結婚したら王室が何気なく持参金をくれるだけで一気に出世できるじゃ...