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162話

「いいから、いいから、お前なしじゃやっていけないって認めるよ。いいだろ?」

アイデンは恥ずかしさに手を引っ込めた。

ヒルは思わず口元が緩んだ。アイデンを押すようにして机の傍まで連れていくと、食べ物の入った箱を机に置き、気遣うように椅子を引いてやった。

二人のアルファがこんな風にするのは確かに奇妙だったが、アイデンとヒルはずっとこうだった。

だから二人とも、何も違和感を覚えなかった。

アイデンがいつものように腰を下ろそうとしたとき、突然、宙に浮いたような状態で動きが止まった。

ヒルは首を傾げて彼を見つめた。

アイデンは気まずそうに机に手をついた。腰の痛みがひどく、座れなかったのだ。普段は...