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155話

「エイデンじゃない。

ジョーだ。

ジョーは最近、姫様の所にいて、今はオメガの恋人ができたから、互いに紹介したいと言っている。XX宿場のXX号室で待ち合わせるとか……」

ヒルは愕然とした。ジョーに恋人?

ヒルは数秒間、心から二人の幸せを祈った。

だが同時に、ジョーの意図が理解できなかった。

彼とジョーの関係はそこまで親しいものではないはずだ……

彼とジョーがどうやって知り合ったかといえば。

両親に守られて育ったジョーとは違い、ジョーの目には彼はただの乳母の子でしかなかった。だが実際は、彼はジョーより五つ年上で、自分がジョーの異母兄であることを知っていた。彼の母親もジョーの乳母ではなかった。...