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117話

テレンスはそこまで考えて、笑顔が少し本心になった。半分冗談、半分本気で答える。「エイデンはこの二年間、人目を避けるために大人しく王女様の屋敷で男性メイドをしていたんだ」

イライジャはうなずき、テレンスがこういうことで嘘をつくとは思わなかった。だが、何か違和感を覚える。「でも、どうやってエイデンと知り合ったんだ?お前はアルファ同士で恋愛するタイプじゃないだろう。まさか王女の屋敷でアルファを見かけただけで、ベッドに誘ったわけじゃないよな?そんなことするのは俺の方だぞ」

テレンスの笑顔が一瞬凍りついた。正直なところ、当時どう考えていたのかもう思い出せない。だが、見栄を張るのに慣れているテレンスは...