私は風雪に乗る

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7話

「ほう、正則侯は私を知らないとでも言うのですか」

趙昀は目を細め、彼の手首を掴む手にさらに力を込めた。

裴長淮は手首に痛みを感じ、眉をひそめて言った。「離せ」

相変わらず命令口調だ。

あの夜、長淮を芙蓉楼の男娼だと思っていた趙昀は、彼が人に仕えるような器ではないと感じていた。今、彼が正則侯だと知り、この傲慢さがどこから来るのか理解できた。

裴家、長い戟を掲げる高門、京の名家である。

この侯府で育った三公子、今の若侯爷が、一晩中彼に弄ばれたのだ。怒りを覚えないはずがない。

しかし、趙昀はそんなことに怯むような男ではなかった。手を離すどころか、むしろ手首から手へと掴み直した。

「離さないよ。君の体...