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68話

金玉賭博場は深夜に火が燃え上がり、場内が焦げ灰になってしまった。幸い、京都の防隅軍が間に合って、夜には冷たい雨も降ったため、火の勢いは広がらなかった。

正則侯府の近侍は任務完了を見届けると、馬を引いて長街へ裴長淮に報告しに来た。

裴長淮は赵昀の側に付き添い、共に賑やかな市場を歩いていた。

赵昀が顔を上げると、遠くに侯府の近侍が辺りを見回している姿が見えた。彼は突然裴長淮の手を掴み、神秘めいた様子で「こっち」と言った。

裴長淮は眉をひそめ、「どこへ?」

赵昀は答えず、強引に裴長淮を後ろへ引っ張った。二人は細長い路地に入り込んだ。人気はなく、光も薄暗く、赵昀が持つ転がる兎提灯だけが揺れていた。

裴...