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6話

裴長淮は少年の頃、鳴鼎書院で学び、先生たちは皆彼の生まれつきの才能を愛でていた。そのため特別に彼の学業に気を配り、時折個別指導を施していたのである。

長淮も素直に教えを聞き入れ、他の学生が帰宅した後も、学堂に残って先生から経文について質問されるのを聞いていたため、遊びに出かける暇はほとんどなかった。

ただし——

謝從隽が来たときは別だった。

学院の休みを待たずとも、謝從隽はしばしば書院の高い塀を乗り越えて彼を連れ出し、こっそりと街へ出て、侯府では見られない珍しいものを見物した。

初めは裴長淮も書院の先生の怒りを買うことを恐れ、彼と一緒に授業を抜け出すことを拒んでいた。

謝從隽は彼を無...