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48話

裴長淮は右手を彼に掴まれたまま、すぐに左手を出して彼の腰を打とうとした。

趙昀は身をひるがえし、裴長淮の左腕を掴んで引っ張った。裴長淮の膝はまだ完全に治っておらず、ほんの少し立っただけでも既に辛そうだった。趙昀に引っ張られ、たちまちバランスを崩して彼の胸元へと倒れ込んでいく。

趙昀は両手を伸ばし、裴長淮をしっかりと受け止めると、笑みを浮かべて言った。「侯爷様が私を見るなり抱きついてくるとは、白昼堂々と、このような無礼を働くとは、礼儀に適わぬことでしょう」

彼の言葉が不真面目であればあるほど、裴長淮はより怒りを募らせた。割れた陶片を掴むと、彼の首筋に向かって切りつけようとする。

趙昀は彼...